築25年、2回目の外壁塗装、110万円は高いのか安いのか?

天気が良いですね。暖かくもなってきましたね。
明日からまた気温が下がるらしいので体調に気を付けてくださいね。

本日もヤフー知恵袋への回答をしました。

質問内容は

築25年、2回目の外壁と屋根の塗装ということで、実作業日数も少ないため工事品質が心配。
そして工事価格が110万円は果たして高いか安いか。

という質問です。

~以下回答内容です~


基本的に新築から初回(だいたい10年過ぎ)の塗装より、今回2回目の塗装の時のほうが、手間がかかるものです。
というのは新築時の塗膜も25年経過し、素地からの剥離の可能性も高くなってくるのと、新築時の塗膜の上から塗った初回時の塗装もはがれてきたりするからです。

1. 新築時の塗装
2. 初回時の塗装(約10年目)

この1と2の浮いたりはがれかかっている旧塗膜の撤去作業が、築25年経過していれば必要になるからです。まずその年数から言って、旧塗膜のケレン作業が必要にならないお家は少ないと思います。そういうもろもろの作業がなくても外壁と屋根で実作業4日はないですね。もちろん投入する職人さんの人数や季節による塗料の乾き具合にもよります。

ただ㎡数を見ると建坪30坪ぐらいのお家だと思いますので、職人がたくさん入ったからと言って早く作業が終わるわけでもないです。
例えばその大きさの家に4人の職人さんが入ったとしても、養生や下塗り、中塗り、上塗り、刷毛やローラー作業などの分担はできるのですが、お察しのように乾きの問題があるので、その待ち時間には4人が動くだけの作業量はないのです。

業者とすれば、職人がなんの作業もできない手待ちの時間が増えてしまうので、見合う人数に調整しなければ人件費が無駄になってしまいます。これがさらに大きい面積のお家になると4人入っても分担するだけの作業量がありますが、恐らくここ最近工事完了ということは、まだ寒いはずですので塗料が一番乾きづらかった時期であると思うことを考慮すると、4人入ろうが2人入ろうがあまり実作業の日数に変わりはなく、もし変わるとすれば、まだ乾ききっていないうちに作業をしたという可能性はあります。

さらに旧塗膜の下地調整などを考えると余計に4日という作業日数はあり得ません。足場と洗浄を入れて6日というのは、職人さんが悪いというよりも、その会社の構造そのものの経営方針であることが原因のすべてだと思います。

自社施工も、今は消費者も中間マージンがないので品質が良いという大間違いもしています。自社施工は経営者(創業者)が塗装の職人出身でなければ、工事品質がとんでもないことになります。理由は長くなるので割愛しますが、現場や工事品質、塗料の莫大な在庫管理、職人の管理など、現場経験がない人でなければ、おのおの管理基準が不明なので恐らくうまく成り立ちません。

うちは自社施工と下請け両方経験済みですが、そういう管理が万全でない限り会社側にも経費的な負担が逆に大きくなって工事品質にしわ寄せが来たりします。そんな管理が複雑で大変な自社施工より、現場管理だけのみで済ませられる下請け業者さんのほうがバッチリ現場を収めてくれたりします。

もちろん職人さんの仕事の考え方や人間性によるところの比重が大きいのは言うまでもありませんが。業者が下請けを使っていながら自社施工と言っているのは、消費者側があまりにもそこに重点を置いているので、それに合わせている可能性も考えられますね。

価格に関して言えば、外壁塗装というものは定価がないものです。同じ大きさの家でも家の状況によって価格が大幅に変わるときも少なくないです。しかも製品販売と違い、品質の優劣も業者側で決められます。

110万円という数字は、実作業から言うと品質もそれなりということが考えられるので、高いと思います。でもしっかり手間暇かけてれば築25年、外壁と屋根と付帯なので逆に安い感じはあります。

ちなみに真実を言えば、塗料の値段で価格は大きく変わりません。
特に自社開発風なOEM塗料 は業者自身で価格を操作できるからです。

材料も工事品質も価格も業者都合に合わせて操作できる。
そのような業者からすれば、こんなおいしい業界はないかもしれませんね。
罰則も規制もない業界なので特に。

言ったもん勝ちというところがあるので、忠実に昔から現場で頑張ってきた業者より、ネットでのマーケティングや営業上手な塗装会社に消費者が魅力を感じるのも致しかねないことなのかもしれませんね。
後は今回の塗装の影響で、また10年後に塗装するかもしれない業者さんに、しなくてもよい作業のしわ寄せが来なければいいのですが。


~以上、回答内容です~

結構知恵袋には回答していますが、久しぶりに本質を得ていると我ながらに思ったので、私のブログにも投稿してみました。

それではまた!

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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