起きたら怖い、塗装作業での死亡事故。

塗装作業での死亡事故。
本日はちょっと怖い話を聞いてきました。

塗装作業での死亡事故。

というのも今日は労働安全衛生法改正にあるリスクアセスメント義務化についての研修でした。
難しく聞こえますが、要は塗料を使う以上、揮発する化学物質などを吸い込み、健康被害による労働災害を出さないために法改正でそれを義務化しようというものです。

大まかには、有害物質がその現場でどの程度発生するリスクがあるのを見積もったり、化学物質リスク簡易評価法(コントロールバンディング)というもので、毒性などのレベルを評価づけそれを把握し事故につながらないようにするというものです。

難しく聞こえますがと言いましたが、レジュメを実際に見るとやけに細かく生命保険の約款みたいで、正直とっても取っ付きにくいです(笑)
でもリスクアセスメントの対象になる事業者は塗装屋さんだけでなく、化学物質を扱う業者ならどこでも適応されるそうです。飲食店もそうですし医療は当然、福祉業などかなりの業態に当てはまるそうです。

とはいってもうちの場合、塗装と言っても酸欠になったり健康被害が出るほどの仕事とは違うので、その辺はあまり関係性は薄いのかなと感じました。
対象となるのは主に屋内です。

屋内の塗装作業では換気がとても重要になるので風通しのことや防塵マスク関係の話もありました。

気になったのは風呂場内の塗装で事故があった事例です。これは他人ごとではないと思いました。
ただそれは溶剤塗料の話で、今はそこに溶剤で塗装する職人さんはいないだろうと、おそらく昔の事例だと思います。

塗装作業での死亡事故。

ちなみ今日の研修では、横浜では有名な材料屋さんの専務さんも来てました。
私もその事故のことは当時のニュースで見てましたが、その専務さんの話では2年ほど前、首都高の柱の塗装工事で火災が発生し作業員が死亡した件について触れていました。
原因はタバコとのことです。

それからは、首都高の塗装工事が溶剤塗料からすべて水性塗料に切り替わったそうです。
一般の方は当然ですが水性と聞くと溶剤(油性)塗料より性能が落ちるのでは??と思いがちですが、本当のところは違うようです。

私も実際にはその差について具体的に詳しく説明することはできませんが、理屈では溶剤塗料は溶剤が揮発して、水性では水分が蒸発して、残る塗膜に耐久性に差異はないということです。
この話は私も塗料メーカーの方から、もう4年ほど前に聞いてましたが、じゃあ鉄部には水性のさび止めで大丈夫なのかという疑問は正直消えないところではありますが、メーカーが言うのですからそれが正解なのだと思います。

後はネット上のさまざまな情報で、多くのお客さんが溶剤の塗料品質ばかりに振り回されてしまっていることにもメーカーサイドも苦労しているのかなとは思います。
いくら水性と溶剤が耐久性が変わらないと言っても、じゃあネットで溶剤のほうが長持ちるという情報が色々出てくれば多勢に無勢で、もちろん多く発信されている情報を信じてしまうのは仕方のないことなのかなと思います。

だから末端の消費者であるお客さんの考え方が変わらなければ、当分の間は外壁や屋根などの場合は溶剤がまだまだ健在していくと思われます。

ちょっと前に社会問題化したキュレーションサイトもそうですね。
あれも一次情報が正しくても、その文章がコピーして編集され、2次、3次となって、結局伝えたい肝の部分が伝わらず誤った情報となったことが問題となりましたよね。コピーされ編集され、コピーされ編集され、それが次々と生み出されていく。

間違った情報だけらけになって、だからネット上の情報は徐々に信用されなくなってしまっていくのかなとも思いますけどね。
愚痴を言えば、うちのサイトなんてコピーされまくりです(笑)画像もそっくりそのままというのは当然の話で、びっくりさせられることもしばしばです。

業者選びもそうですね。
一級塗装技能士、一級塗装技能士といいながら、資格を重視するお客さんはそっちに惹かれていきます。業者がこぞってそう言いだせばお客さんも、そうならばと一級塗装技能士が施工すればそれで安心できるところがあるのだと思います。

でもそれだけでは誤った情報で、一級塗装技能士資格を持っていなくとも腕がいい職人さんはいます。
ただお客さんが業者選びにおいての判断基準をする際には、何にも指標がないよりはあった方が断然いいわけで、それで以前からそのような判断基準をお勧めしているわけです。

ところが塗装業は資格を要しない業種ですから、現場に出たことがない人、たとえばこれは極論ですが昨日脱サラした人が塗装業の看板をあげて営業してお客さんと契約することだって無理なことではありません。

お客さん側が納得する机上の知識を多少知っていれば、実際の仕事は一級塗装技能士の資格を持っている、”本当の塗装屋”に丸投げすればいいだけだからです。
現場のことをよく理解してない人が、職人に工事を託すということは工事品質を確保するという点においては、よほど職人との間に信頼性がないと品質が不安定になってしまうのはごく当然のことです。それでなくとも下請けという状況下の元、赤字との戦いで作業している職人さんは少なくないのですから。

なのでお客さんからすれば、ただ一級塗装技能士を持っている職人が作業すればいいということで済ますのではなく、職人が開業した業者、つまり職人創業の業者を選ぶのが本当の正攻法な業者選びだと思います。
じゃあ職人創業の業者とは?という答えが、「代表者が一級塗装技能士」という答えに最終的には行きつくのです。

でも本当に今は資格やら認定という業者さんが増えましたね。

今日の研修でも、防塵マスクの話が出ました。
重大な健康被害を引き起こしたり、最悪死亡事故にもつながってしまう作業においての話ですから、防塵マスクにもとても厳しい国やJIS規格の認定が必要だそうです。

塗装作業での死亡事故。

なので防塵マスクには、認定が下りたシールが一か所ではなく、結構あちらこちらに貼られていて、機能が変わらなくともシールを剥がしただけで認定されたものとはみなされず、もし事故が起きた際には労災が下りないなどのリスクなどもあくまでも可能性ですが、それも否定できない等の話も講師の方が話されていました。

塗装作業での死亡事故。

なので国や行政等の認可というものは厳しくもあり、当然かもしれませんが信頼性が高いということの証明なのですが、また業者選びの話に戻ってしまうのですが、サイディング何とか資格やら雨漏り診断の資格やら、講習だけで取得できてしまう民間の資格などを意図的に信頼性の高い資格と偽るような形でクローズアップしている業者さんもとても多くみられます。

まぁそれもビジネスと捉えれば、とても頭のいい方法なのかなとも思いますけどね。
それにしてもネットの情報というのは、ちょっとだけの調べものには重宝しますが、重要なことに対しては一歩下がって変な話、斜めから見た方がいい場合もありますね。

自分の業界をみていると、最近は余計ほかの情報もそう見てしまうようになってしまいました(笑)

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

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