屋根塗装の縁切り

おはようございます。梅雨時ですが、神奈川の方は本格的な雨模様の日は少ないですね。

天気予報も雨だったりするのですが、ほとんど降らなかったり、逆に降らないような予報でも降ったりするので、現場でも困惑してしまうことも少なくありません。

特に職人が朝事務所に来ても、雨がいきなり降ったりするため、とんぼ返りということもたまにですがあります。

 

さて工事の方は忙しくさせていただいています。最近は現場の事例を多くホームページに載せるようにしていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

そこでさっそく、先日の神奈川県内のお客様宅での事例です。

一般的な住宅に多いスレートぶきのコロニアル屋根です。カラーベストともいいますが、このお宅はおよそ築10年になります。

屋根の状態を見てください。

CIMG8862.JPG

屋根材同士の隙間が十円玉の厚さ2枚分あり、十分な隙間があります。実際には3枚ジャストの厚さでしたが、硬貨が二十円分しかありませんでした(笑)。

塗装をしたとき、板状の屋根材の重なり部分が塗料で詰まると、毛細管現象で雨水が上方向にいってしまったり、突き合わせ部の隙間から入った雨水の逃げ場がないため、雨水が溜まってしまいます。それが内部にたまった湿気の逃げ道がなくなったり、雨漏りの原因になることもあります。

そのため、塗料の詰まりの部分をカッターなどで切り込みを入れて隙間を作ってあげます。これを「縁切り」といいます。

現在はタスペーサーという縁起りの部材を重なり部分に差し込んで隙間を大きくしてから塗装するという方法が一般的です。ただしタスペーサーを入れてその上を歩くと、ひび割れの危険性が高くなるため3度塗りの際に注意が必要になります。

でもこれほど隙間があれば塗料で埋まることはありません。このお家の場合はもっと隙間のある部分もありました。しかしそこまで隙間が広くなくても、はじめての屋根塗装の場合なら、たいていの屋根は、正直いって縁切りはほぼ不要だと思います。

 

ネット上でもよく取り上げられている縁切りは、絶対しなければダメという業者さんが多数派のようです。ただこれは、必ずしも現場に即している情報ではないなって思います。

特にパミールというスレートというものがあり、法改正でアスベスト入りのスレートが作られなくなり、それから強度がおちたスレートというものがあります。このスレートは縁切りはNGです。

それ以外のスレートでも割れるものもあるので縁切りはカッターやカワスキでやる職人もいます。

割れるのは下手だからという意見をネットで見たことがありますが、そうではありません。もちろん割れない物も多いですがリスクがあるということです。縁切りが必要なのは、塗料の厚みが増してくる2回目からの塗装からでしょうか。

それから屋根の傾斜が緩い場合や、断熱塗料で塗るときです。断熱塗装は塗膜の厚さが命です。ぼってりとした塗料で塗るので厚みがあり、縁切りも必要になります。それ以外はほぼ必要ないと考えてよいのではないでしょうか。

とはいえ、どうしても縁切りをして欲しいというお客さんには、タスペーサーやそれ以外の方法でも対応させていただいてます。

今後も少しでも塗装の真実を伝えていきますので、よろしくお願いします。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

通話料無料

0120-382-361

[電話受付時間] 09:00-20:00