サイディングと屋根の塗装とベランダ防水

現地調査

見積もり担当の岩渕です。

横浜市神奈川区にあるO様邸へ、現地調査にお伺いしました。

周辺に自然の残る住宅地の中にあるO様邸は外壁は1階・2階共にサイディング、屋根はスレート屋根(コロニアル屋根)、築14年のお宅です。

サイディングのシール(コーキング)部分の劣化が気になり、塗替えを検討していると弊社サイトからお問い合わせをいただきました。

お宅に伺い拝見したところ、築年数相当の劣化ではありますが、サイディングとシーリング材との間に隙間ができる剥離(はくり)が見受けられる場所がありました。(写真内囲み部分のシーリング材右側)劣化が進むと防水効果が低下してしまうので、注意が必要です。

また、バルコニーの床と立ち上がり(バルコニー内側壁面の下、塗料が塗られていない部分)のクラック(ひび割れ)と汚れも気にされているようでした。

O様は今回の塗り替えにあたり複数社に見積もりを依頼されたそうですが、「塗料に関して具体的なアドバイスがあった」「サイトに職人さんの顔が出ていて安心感があった」などが決め手になり、弊社をお選びいただいたそうです。

ご検討の後、1階外壁は日本ペイントのパーフェクトトップのND-376(ベージュ)、2階外壁はND-282(カラシ色)を使用したツートンカラー。

屋根は、遮熱塗料である日本ペイントサーモアイSiから、全日射反射率39%・近赤外日射反射率71.3%のクールブラウンを使っての塗替えに決定しました。

せっかくの機会なので雰囲気を替えたいと奥様がお選びになったそうですが、現在のシックな色味とはまた違った印象になりそうで楽しみです。

こちらの現場は、一級塗装技能士・塗装指導員の資格を持つ竹山が施工します。

竹山

ご期待に添える仕事ができるよう、頑張ります。

高圧洗浄

塗装の下準備の第一段階として、まずは高圧洗浄で家全体の汚れと古い塗膜を洗い流します。

高圧洗浄

汚れの上から塗装をしても、塗膜が宙に浮いているのと同じ。剥がれやすい仕上がりになってしまい、耐久性に大きく差が出てしまいます。塗ってしまえば外からは分からない部分ですが、塗膜の耐久性を高めるためには欠かせない作業です。

強い圧力で噴射される水で、スレート屋根にこびり付いたコケや藻、カビなどを一気に洗い流します。築14年のO様邸は、特に劣化や汚れが激しいという訳ではありませんが、やはり築年数なりの汚れはありました。目の前が林で植物からの湿気が多い環境ということもあり、日照時間の短い北側の屋根には特に苔の付着が多くみられました。

また、雨樋に枯葉がたくさん溜まっていたので、こちらもキレイに取り除きました。

家の脇に屋根より高い木があったり、山や林の近い環境に建っているお宅は、雨樋の中に枯葉や土・コケなどが想像以上に溜まっている場合があります。そのままにしておくと排水能力の低下をまねくだけでなく、重みで破損の原因となったり、場合によっては雑草が根付いてしまうこともあります。

10年間の戦い。

屋根だけに限らず、日当たりの良くない部分の外壁にも苔や藻の付着がみられたので、全てキレイに洗い流し、下地調整の第一段階である高圧洗浄が終わりました。

サイディング外壁の高圧洗浄の様子は動画でご覧下さい。

シーリング(コーキング)の打ち直し

次に、お客様が劣化を心配していたシーリング(コーキング)の打ち直しを行います。

専門のシール職人が、「カッターを使って古いシーリングをはがす」➔「はみ出さないようにテーピング(養生)」➔「専用の接着剤(プライマー)を塗る」➔「シーリング材を注入」➔「ヘラで均す」という手順で作業していきます。

シーリングの上から塗装をするため、塗装との密着性が高いノンブリードウレタンシール材を使用します。主剤と硬化剤の2液を混ぜて使う業務用のシーリング材です。

シーリング作業

サイディングの繋ぎ目の多い、南側バルコニー外壁の作業の様子。目地に隙間なくシーリング材を充填するために、バッカーというヘラで圧力を加えながら均し、剥がれにくく肉厚なシールに仕上げていきます。

シーリング打ち直しの手順はこちらの動画で確認できます。今回も同じ施工方法です。

屋根・外壁の下塗り

今回は梅雨時期の施工だったので、雨対策として、全体を2面づつに分け上塗りまで仕上げていく方法で作業を行いました。養生をしたまま雨で作業が中断されてしまうと、何日も窓が開けられないなどお客様の生活に支障が出てしまいます。

そういう事態を避けるため、作業効率は悪くなってしまいますが、初めに南・東側の屋根と外壁の「養生」→「下塗り」→「中塗り」→「上塗り」を行い、その後北・西側で同じ工程を繰り返し行って仕上げます。

初めに南・東側の屋根と外壁の下塗りを行います。まずは屋根鉄部の下地調整から。ケレンでサビや汚れ、古い塗膜を取り除き密着性を高めた鉄部に、サビ止め効果のある下地を塗ります。

スレート屋根は日本ペイントのサーモアイを使っての遮熱塗装を行うので、下塗りも遮熱性能を持つサーモアイ専用シーラーを使用。サーモアイ主材との密着性の強化や、屋根材への樹脂成分の吸い込み抑制効果もあり、合わせて使うことで反射性能の向上につながります。

屋根 下塗り

その後、タスペーサーを使った縁切り作業と、シーリング材を使ってのクラック補修を行い、屋根の下地調整は終了です。

屋根 クラック補修

続いて外壁の下塗りを行います。

塗装しないところを養生テープで覆って保護した外壁に、上塗り塗料のパーフェクトトップに適した高性能下塗り材ファインパーフェクトシーラーを使い、1階2階共に下塗りを行いました。

外壁 下塗り(2階)

屋根・外壁の中塗りと上塗り

続いて、屋根と外壁の中塗り・上塗りを行います。

サビ止めとシーラーでの下塗り後の屋根にサーモアイ主材で中塗りを開始。お客様が選ばれた色はクールブラウンで、メーカーカタログによる全日射反射率は39%・近赤外日射反射率は71.3%。明るめの茶色の遮熱塗料です。

屋根 中塗り

中塗りを終え上塗りで最後の仕上げ。全面にむらなくたっぷり塗布して塗膜にさらに厚みをつけ、耐久性だけでなく、遮熱性能もしっかり発揮できる屋根塗装になりました。遮熱塗料で太陽光の赤外線を反射させることで屋根の温度上昇を抑え、屋根下の室温上昇も改善できます。暑い日の続くこれからの季節にはうれしい効果ですね。

また、中塗りと上塗りを重ね厚みのある塗膜に仕上げることで、紫外線や雨風が直撃する過酷な環境からも屋根を保護します。

屋根 上塗り

2階サイディング外壁の中塗りと上塗りの様子。耐候性・邸汚染性に優れた日本ペイントのパーフェクトトップを使い、アイボリーからカラシ色への塗り替えです。
中塗りで塗膜にしっかりと厚みを持たせた後、より厚みをつけるように上塗りを重ね、さらに光沢のある仕上がりになりました。

外壁 中塗り(2階)

外壁 上塗り(2階)

1階サイディング外壁の中塗りと上塗りの様子。2階とは違う凹凸のあるテクスチャーの壁が、ツヤのあるベージュに仕上がりました。

外壁 中塗り(1階)

外壁 上塗り(1階)

付帯部の塗装

屋根・外壁の塗装と同時に、鉄部や雨樋など付帯部の塗装も進めていきます。

まずはケレンを行います。ナイロンたわしとサンドペーパーでサビや汚れ、古い塗膜を取り除くと共に細かい傷をつけ、塗料の密着性を高めます。

写真は左が軒下の通気口、右上がシャッターボックス、右下が水切り(※)のケレンの様子です。周りに緑が多く湿気のある環境ということもあり、軒下通気口はかなりサビが進行していました。

※水切りとは、外壁を伝った雨水が、家の土台部分に浸透しないようにするためのもの。土台に水が浸み込んでしまうと家自体を傷めることに繋がるので、その対策として取りつける。

付帯部 ケレン

次に下塗りを行います。鉄部にはサビ止め塗料など、それぞれの素材に適した下塗り塗料を選びます。

付帯部 下塗り(サビ止め)

下塗りが終わったら、中塗り・上塗りを行います。軒下通気口は白、シャッターボックスは茶色、水切りと(写真にはありませんが)雨樋は黒で仕上げました。サビだらけだった軒下通気口も見違えるようにキレイになりました。

付帯部 上塗り

バルコニーの防水工事

南側にあるバルコニーは、日当たりが良く紫外線による影響も受けやすい環境で、床や立ち上がりの壁に多数のクラック(ひび割れ)が見られました。

お客様も劣化を気にされていて、今回の塗り替えにあたりバルコニーの防水工事も一緒にしたいと見積もり時にお話があり、モルタル層の上から防水層を施工する「ウレタン塗膜防水」での改修工事を行うことになりました。

防水工事前のバルコニー

まずは下地を整えます。平刷毛を使ってケレン・目荒しをした後ゴミや砂を丁寧に取り除き、クラックにモルタルを充填しながら塗布し全体を整えていきます。モルタルの乾燥収縮や揺れ、躯体の膨張収縮が原因となり、このようなひび割れが起こります。

モルタルでクラック補修

次に、下地との密着性を高めるためプライマーを塗布します。写真の濡れたように色の濃くなっている部分が、プライマーを塗り終わった場所です。

床と立ち上がり(バルコニー内側壁面の下、塗料の塗られていない部分)の境目などクラックの隙間が大きい箇所は、再度膨張収縮が起きる可能性があるためシーリング材での補修も行なって、下地調整は終了です。

プライマー塗布

粘性のある防水材料であるウレタンを、ヘラとローラーを駆使して均一な膜厚になるよう塗り広げていきます。上の写真は1回目の塗布、下は2回目の塗布の様子です。ウレタンが硬化する際に水分を嫌うため、天候や気温に配慮が必要な作業です。

ウレタン1回目塗布

ウレタン2回目塗布

最後に、トップコートを塗り重ねて仕上げます。トップコートを施すことでウレタン層を紫外線から保護し、汚れの付着による劣化を抑え耐久性を高めることができます。

移動させていたエアコン室外機を元に戻して、防水工事の完了です。

トップコートで仕上げ

仕上げ

最後に、塗料の拭き残しや塗り残しがないかを確かめ、細かい手直しをしていきます。足場を解体してからでは確認出来ないので、現場責任者の竹山が念入りに最終チェックを行いました。
確認後、足場解体・清掃(掃き掃除)をして完了、引き渡しとなります。

弊社では、このような雨対策だけでなく、お客様の立場に立ったフレキシブルな対応を心がけています。ご希望があればお気軽にご相談ください。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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