追加工事と耐久性のはなし。

消費税が上がって梅雨に入り、見積もりの電話もすこし落ち着いてきたのかなという今日この頃です。
まぁ消費税率アップ前の駆け込みが異常だったので、例年どおりに戻った感覚でしょうか。

そして今日は3件ほど見積もりの相談があった中から、すこし気になった話をひとつだけご紹介します。

今は見積もりを数社からとられる方が多くなってきました。
その方もそうでした。

相談内容のメインは価格のこと。
誰もが気になることですね。

「弾性シリコンでやった場合1平米おいくらですか?」
「高圧洗浄は1平米おいくらですか?」
「養生はおいくらですか?」

と、まぁこんな具合でした。
ほかの業者さんの見積書を手元に置いて、その項目と比較しながら私と話しているというのが、すぐに直感でわかりました。
基本、うちの場合は電話で価格をお伝えすることはありません。

なぜなのか?

平米数がおなじ家でも、全然ちがう価格になることが少なくないからです。いやまったく異なるのが普通と思っていただいたおいたほうがよいでしょう。

たとえば、ツルツルした外壁とザラザラした外壁を比べてみましょう。

それぞれ塗料の使用量は極端な場合、3倍も違うことがあります。うかがったところ、この方のお家の外壁はどうやらザラザラのようです。これが一度塗りかえをして塗装をしている状態ならば、ザラザラの上に塗装膜が張っているので、その分塗料の吸い込みが押さえられて、使う塗料は少なくなります。

ツルツルの外壁は当然、必要な塗料は少なく、ザラザラでさらにデコボコの高低差があるような外壁は、使用する塗料の量は半端ではありません。

塗装工事の費用・価格

でも今回は、築10年ではじめての外壁塗装とのこと。相当量の塗料を使うケースです。

さらに上空から見て、家の形が真四角と角が多い凸凹の家では、作業効率も全く変わります。養生だって、少なく済むお家もあれば、異常なほど手間がかかるお家もあります。

私は決して電話で回答したくないのではありません。
お客さんの知識がないところに価格を伝えてしまうと、結果的にお客さんが価格のみにこだわってしまい、かえって塗装工事の失敗につながる可能性があるからです。

そもそも見積もりというのは、お客さんにどのような工事を行うか、その基準を数値で示しているものです。これが大量生産できるような車とか、すべて同じ素材で形のものでしたら、見積もりの比較は十分にやっていただいたほうがよいでしょう。

しかし塗装工事では、実際の現場で見積もり通りに済む工事なんていうのは、そうそうあるものではありません。いざ工事に取り掛かってみると、見積もり段階ではわからなかった状況がたくさん出てきます。

外壁塗装というものは、誰がなんて言おうとそういうものなのです。

壁の違いによる塗料の数量だけではありません。たとえば、

  • 傷み具合が想像以上で塗り回数が増えたり
  • 下地調整の手間が想像をはるかに越えてメチャメチャ大変だったり
  • 色の塗り分けがやたらと多かったり
  • 細かく刷毛でぬる場所が多かったり

 
と、平米当たりの単価では単純に測れないものがあるのです。

で、想定と違う状況が明らかになった場合、すべて適切に対応してくれる業者ならよいのですが、そうでなかったら塗装工事の中身が心配です。後から追加工事で費用がかさんでしまうのは嫌だと思います。

しかし無理やり見積書通りの金額内で済まそうと、傷み具合を無視されてしまうのはもっと怖いことではないでしょうか。

結果として耐久性に問題が生じる可能性もあります。追加工事はなし、傷みに最適な処置をしてくれる・・・そういう業者さんを望んでいる消費者が多いのは、無理ないと思います。しかも今は安売りがはやっていますから、低価格に惹かれてしまいがちです。

でも平米単価だけで業者同士を比較するということは、検討対象が価格のみになっているということです。数字しか見ないのは、実はお客さんにとって「絶対やばいこと」です。

ですから後で悔やむことがないように、くれぐれも慎重に計画してくださいね。

さて、早く梅雨が明けてほしいですね。
では~(^v^)

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

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