家の点検時期と手遅れのバルコニー

9月に入り大分暑さも落ち着いて参りましたが、いよいよ台風の季節。

みなさま、雨染み、クラック、剥がれなど…ご自宅で気になっている箇所はございませんか?是非とも台風が本格化する前に、気になる箇所がある方は点検をおすすめ致します。

先日現調に行った帰りに、こちらのお宅の前を通りかかりました。玄関の真上部分にあたる天井、軒天の一部分が落ちていて、バルコニー床下の内部が丸見えになっています。

よく見ると、中の木部はかなり腐っているので、補修をするにも大工を入れて、防水工事を入れて…とかなり大掛かりな工事になりそうです。

こちらのお宅はバルコニーの床施工がモルタルになっているのですが、現在ではほぼバルコニーの床には使わない材料です。
昭和60年代~平成の初めごろまでは、バルコニーの施工を安くあげるためにモルタルが使用されていたのですが、雨水が染みやすく防水効果がないため、現在はウレタンなどが主流となっています。(外壁用としては、防水処理を施し今でも使用されています)

とはいえ、ここまで水がバルコニーの下に染み込み、木部を腐らせたということは、もしかするとモルタルに防水処理をしていなかったり、モルタルの下に防水シートを入れていなかったりなどの施工の不具合があったのかもしれませんし、または地震や台風などでモルタル部分にヒビが入り、そこから雨水が長い時間かけて入り込んでいたのかもしれません。

どちらにせよ、バルコニーの床内部(水が浸入してはいけない部分)に、水が入りこみ、出口をなくした水が中に溜まり、乾燥しなかったことで木部を腐らせ、さらには溜まり続けた水の重みでこうして軒天が抜けることとなってしまったのでしょう。もしも軒天に雨漏りのサインである「染み」が出た時にチェックし、メンテナンスをしていたら、ここまでのことにはならなかったかもしれません。

家というのは、本当に点検時期の難しい財産です。
車であれば車検があるので、定期的に検査しますが、家は建てたら最後…検査はありません。数千万円もだして買う、人生で最も大きな買い物なのに、点検をしない。
よく考えたら、不思議な話ですよね。

アンティーク家具というものがありますが、あれは昔のものを放置し年数がたったからといってアンティーク家具になるわけではありません。
家具をよく手入れし適切な補修をしているからこそ、家具が長持ちし磨き抜かれた艶や重厚感がでるのです。いくら最高の木で作った家具だとしても、メンテナンスをしなければ古い家具はただのガラクタとなります。

家も同じです。
適切な時期にメンテナンスし、少しでも異常を感じたら点検をする。そうすることで家を長持ちさせ、財産を守ることができます。

でも残念ながらほとんどの人は、メンテナンスへの優先順位が低いのです。
例えばここに20万円の現金があるとします。この20万円を自由に使っていい…と言われた時に、旅行などを思い浮かべる人はいても、家のメンテナンスを思い浮かべる人はほとんどいないでしょう。
これが現実なのです。

また、これはなかなかお客様ご自身で知ることは難しいのですが、昔使っていた建材でも今は不具合が起こるなどの理由から、ほとんど使用されてないという建材があります。

代表的なものとしては、「アスベスト」などが有名でしょう。
今や「アスベスト」は人間の体に害を及ぼす材料と知られていますが、昭和50年9月に吹き付けアスベストの使用が禁止されてからも、石綿などに混合させて使用されていました。ただ、それも平成16年に石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止、平成18年には同基準が0.1%以上へと改定され、現在では建材としての製造は基本的には禁止されています。
でもほんの15年前までは、石綿の中に1%以内のアスベストが含まれたままだったのです。つまり、現在でも古いビルであれば、こうしたアスベストを1%含んだ石綿が使われている建物があるということです。

こちらのお宅の、バルコニーの床面に使われているモルタルも同じです。

モルタルは材料としては、人体に危険な影響がでるなどというわけではありませんが、雨がしみ込みやすい材料であるにもかかわらず、平成の初めごろまで安価であるという理由から、バルコニーの床を施工する際に使用されていました。今では、あまり考えられない施工です。

他にも一昔前は「固い・安い」という理由だけで鉄材がベランダや、外階段などに多く使われていました。でも、鉄はご存じのように水に濡れると錆びます。ですので、ベランダに使えば錆びが原因で底が抜けたり、柵が落ちたり、階段の場合も踏板が抜けたり……。この令和の時代にこんな危険な鉄製のベランダや階段を、新築工事の際に選ぶ人はほとんどいません。

こうした不具合を起こすであろう建材を使って建てられた家でも、点検をしていれば、それらを見つけだし補強や補修をしたり、施工しなおしたりすることができます。

さらにもう一つ点検が必要な理由として、家は人間の体と一緒で年を取るということです。
建てたばかりのころは何も症状がなくても、年数を重ねれば何かしらの不具合がでます。だからこそ、ある程度年数を重ねた家には点検が必要といえるのです。

少しでも、家に異変を感じたら。お近くの工務店や、家を建ててもらった大工さんでも構いません。
一声かけて、点検してもらって下さい。

もちろん、弊社も無料で点検することもできます。
防水の施工などもしておりますので、防水を施さなければならない箇所の点検や雨漏り箇所の点検もお任せください。

家の傷みは、虫歯と同じです。
一度傷んでしまったら、自己治癒することなく傷みが進行し続けます。せっかくの夢のマイホームを維持するためにも、傷みを最小限で食い止めるために、メンテナンスをしましょう。

バルコニー防水の参考動画です。

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